株式会社ユニエツクスNCT

NYK GROUP

株式会社ユニエツクスNCT

温州みかん、パリへ行く/農産品の鮮度保持輸送の話

日本のおいしい農産品を世界中へ届けたい/2016年7月に営業開発グループ発足、着任。輸出から輸入まで一通りの流れを経験してきた彼が任されたのが過去に例のない「農産品のフランス向け海上輸送試験」だった。コンテナを開けるまでわからない輸送の結果はいかに?

※2017年10月掲載当時の内容です。株式会社ユニエツクスは株式会社ユニエツクスNCTの前身となります。

チャレンジングな輸送

当社ではCAコンテナを利用した日本産青果物の輸出に取組んでいます。
CAコンテナは、温度管理に加えてコンテナ内の酸素、及び二酸化炭素の空気組成を長期貯蔵に適する状態にコントロールし、青果物の追熟・劣化を抑制し鮮度保持をする機能がついたコンテナです。青果物の呼吸を抑え、いわば「冬眠状態」にすることができます。
今回、徳島県よりフランス向けに温州みかん・ゆず・はっさくなど、かんきつ類の輸送試験についてご相談を頂きました。
CAコンテナは近年、2週間程度で到着する香港や東南アジア向けの青果物輸送に使用されており、その効果は確認されています。
しかし、欧州向けとなるとコンテナに詰めてから、現地で貨物を取り出すまで50日を越える輸送となり、前例がありません。
さらに、みかんなどのかんきつ類に関するCA輸送の実績もほとんどありませんでした。
50日を越える輸送に耐えてくれるのか?最適な温度・湿度・酸素濃度は?
そもそも、かんきつにCAの効果はあるのか?
お客様にとっても、我々にとっても本当にチャレンジングな試みとなりました。

ミカン箱を開けるのにこんなに
緊張したことはありません

CAコンテナを使用した欧州向け初の青果物輸送。
私も貨物の状態を確認するためにフランスに行きました。
当社には、フランスで食品専門の物流業を営むSEAFRIGO社という強力なパートナーがいます。
輸出前には、現地の植物検疫や通関、配送について何度も何度も打ち合わせを繰り返しました。
ただでさえ、商品は日を追うごとに劣化していく青果物です。
こちらの手続きのミスで更に日数をかけてしまうわけにはいきません。
現地で無事に検疫・通関を終えて予定通り倉庫に到着したCAコンテナを見てまずは一安心。
そして、いよいよ商品の確認。
今までの人生でミカン箱を開けるのにこんなに緊張したことはありませんでしたよ(笑)
恐る恐る箱を開けると、鮮やかなオレンジ色!
お客様にも、「航空輸送よりもいい状態!これは海上輸送に切り替えができますよ!」
と仰って頂き本当に嬉しかったですね。
今回の輸送によって、日本産青果物の船便での輸送エリアは大きく広がったと思っています。

自分にとってのやりがい

CA輸送と一口に言っても、青果物によって最適な温度や湿度、酸素濃度などの輸送条件は異なります。
日本産青果物の輸出はスタートを切ったばかりで、まだまだ1つの品目でコンテナを埋める物量はありません。
多いときには50品目を超える青果物が混載されています。
当社では、技術研究を行っている日本郵船グループのMTIと協力しながら品目毎に最適な温度や酸素濃度、梱包や積みつけについてトータルにアドバイスを行っており、こういった今までに培ったNYKグループのノウハウが他社との差別化につながっていると思います。
農産品の輸出は日本政府も力をいれる国家戦略となっており、NYKグループの一員として大きな取り組みに挑戦していくことが、自分にとって本当に大きなやりがいになっています。
もっともっと日本のおいしい果物や野菜を海外の人に味わっていただきたいですね。

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