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- イカのアジア周遊記
※2016年12月掲載当時の内容です。株式会社ユニエツクスは株式会社ユニエツクスNCTの前身となります。
なぜイカがアジア周遊するのか?
日本人は酒の肴・ごはんの友として、皮むきなどの加工に手間がかかるイカを好み、更に肉厚があって食感も良いと国産イカを珍重します。ただ、イカの加工を国内で行うとコストが嵩むため、コストの安い東南アジアで加工する”逆委託加工貿易”が行われています。
私の仕事はこの逆委託加工貿易の通関に関わる輸出入手続き・業務を行うことです。主に扱う商材は、イカ・明太子・サーモン・サバ・甘エビなどで、水産物の委託加工をメインに取り扱っています。
ここであえてイカにスポットを絞った理由は、イカの取扱いには、地方自治体・保健所での放射能検査・証明書取得、厚労省への食品届申請、農水省・経産省での輸入割当制度申請、財務省(税関)での輸入申告と言った、広義で通関と言われる部分に、非常に高い壁がある為です。
そこで、当社ではこの高い壁をいち早くよじ登る体制を作ることで、通関までのリードタイム短縮を心掛けており、お客様からもスピード感を持ってやってもらっている、と高い評価を頂いています。高い評価はお客様との関係を密にしているからですかね・・・? あとは、ノウハウが豊富というのも強みです。
通関の難しさを知る
イカの輸出入は、何かと法律が絡んでくる仕事です。放射能検査、食品衛生法はどんな食品にも係る法律ですが、輸入割当制度【IQ(Import Quota)】は他の商材とは比べ物にならないぐらいの強敵です。
本来、日本産のイカなので、輸入割当制度の適用除外なのでしょうが、イカにはシリアル番号もなく、加工品の原料が日本産品と証明するのは難しい。海外から輸入される該当商材の際には税関よりIQの提出が求められますが、ここで提出してしまうと日本の漁業保護の為に定めた輸入数量に変化がおきてしまうので、日本産のイカを無償輸出・無償輸入する為の特殊枠を取得し、対応する事になります。
ただ、この特殊枠の取得は非常に煩雑で時間もかかるため、敬遠する事業者も多いと聞いています。私がこの特殊枠取得の業務を始めた時は、まだ他社でも取扱いが少なく、水産庁や経産省への申請書類の確認や調べ事が多くて大変でした。
そんな中、お客様の希望リードタイム内に通関を切り「本当にありがとう!助かりました!」と言ってもらえた時にやりがいを感じます。
通関の仕事というのは、他社との差別化が難しい仕事だと思われがちですが、こういう特殊な知識を活かして、お客様の「かゆいところに手が届く!」サービスを実現しています。
私が取り扱っている商品は、大手スーパーや回転寿司チェーンにも卸されています。家族でよく回転寿司に行くんですが、お腹が一杯でも、イカのお寿司が回ってくると思わず皿を取ってしまいます。(笑)
※輸入割当制度【IQ(Import Quota)】とは、イカのように日本近海で漁獲される水産物に日本の漁業保護の観点から、輸入数量に制限を付ける制度。<該当水産物を輸入する際には農水省と経産省でIQ(割当)の発券がないと輸入出来ない>